本当にいろんなことが起こるもんだな。しかも今らしい。そんなことをまず思った。インディアンズのトレバー・バウアー投手の負傷である。

 ア・リーグ優勝決定シリーズをブルージェイズと争っていたインディアンズにあって、今シーズン12勝を挙げているバウアーは現地15日に行われた第2戦に先発することが決まっていた。が、前々日の13日に趣味の競技用ドローンを修理していた際に右手小指を切る怪我を負ってしまったのである。バッテリーをドローンにつないだところ、プロペラが突然回転し始め、小指に触れたのだという。この怪我でバウアーは10針も縫うことになった。そのため、チームは第2戦を回避し、17日の第3戦へとスライド先発させる決断をしている。

 そして16日に行われた前日記者会見ではバウアーが怪我の原因となったドローンを持ち込んで登壇したということである。会見でバウアーは「プロペラの一つが突然動いて指を切った。何千回も操作したが、初めてのこと」と話し、「大バカだと思う」と反省の弁を述べた。ただ登板については「小指は使わないので影響はない。楽しみにしている」と意気込みを示し、さらに小指は「まあ、ついているだけ」とまで強がったのだとか。が、実際には「ついているだけ」とはいかなかったのである。予定通り翌日の第3戦にバウワーは先発したのだが、縫合部からの出血が止まらなくなり、わずか1回途中21球を投げたところで降板する事態となったのだ。

 この間、先頭打者への見逃し三振と3番のセンターフライで2死はとったものの、2番と4番を四球で歩かせ、2死一、二塁というピンチとなっていた。それでもインディアンズは緊急登板したダン・オテロ投手が続く5番ラッセル・マーティンを二塁ゴロに打ち取り、無失点で切り抜け、ゲーム自体も4対2で勝利してシリーズ3勝目を挙げた。さらにインディアンズは19日に行われた第5戦を3対0で下し、シリーズ4勝1敗で19年ぶり6度目のリーグ優勝を果たしている。

 ワールドシリーズは25日が初戦となっている。果たしてバウアーが回復し、登板の機会が与えられるかにも注目したい。それにしても先発予定の投手が流行のドローンで怪我、とはまったく思いもよらぬ話ではある。