マー君、またも3被弾-。ヤンキース田中将大投手(26)がアストロズ戦に先発し、5回7安打6失点と打ち込まれた。序盤に6点の援護を受けながら、リードを守れず交代した。自責点6は自己ワーストで、前回(21日=タイガース戦)に続く自己ワーストタイの3本塁打を喫した。2戦連続の炎上で正念場を迎えたエースは「自分で乗り越えていくしかない」と、立て直しを誓った。

 スタンドで弾む打球を、この日も3回見届けた。4回のカーターに続き、5回には12年ドラフト全体1位の新人コレアに2ラン、さらに昨季の首位打者アルテューベに連続被弾。2試合連続となる3本塁打を浴び、6点のリードを使い果たした。ヤ軍投手の2戦連続3被弾&6失点は14年ぶり。「今は、そういう時なのかなと、自分でしっかり受け止めていかないと」。制球力に定評のある田中が、5回までに98球を要した事実が、苦心の投球を物語っていた。

 乱戦の流れは、食い止めようがなかった。ヤ軍が6点をリードした2回表、ア軍先発がA・ロドリゲスへの危険球で一発退場となり、両軍に「警告試合」が告げられた。田中が内角を突くと、敵地から強烈なブーイングが飛ぶ、異様な空気だった。「やっぱり行きづらくなりますよね、インサイド。当てるつもりがなくても、当てたら退場。その辺の難しさはありますよね、正直。でも、あれだけ打たれたらしょうがないです」。カットボール、スライダーを主体にする一方で、内角球は激減。結果的に、外角に的を絞られ、しっかりと踏み込まれた。

 もっとも、速球、変化球とも精度を上げるためには、フォームの微調整は不可欠。捕手との配球にも課題は残った。「しっかりと向き合って、自分で乗り越えていくしかない。誰かが助けてくれるわけじゃないですし、結局は自分。次の登板に向けてやっていくしかないです」。ローテ通りであれば、次回は7月3日(日本時間4日)のレイズ戦での先発が濃厚。後半戦の勝負どころで底力を発揮するためにも、田中は打たれた現実から目を背けるつもりはない。【四竈衛】