【マイアミ=佐藤直子通信員】米大リーグは、各地で前半戦最後の試合が行われた。マーリンズのイチロー外野手(41)はレッズ戦に「1番右翼」で出場し、4打数1安打1得点で移籍1年目の前半戦を締めた。オールスター戦は14日(同15日)にシンシナティで行われる。後半戦は17日(同18日)にスタートする。

 なじみの打順では、自然と表情も柔らかくなる。イチローは、前日にゴードンが左親指を脱臼したため、5月3日以来今季2度目の「1番」で先発。試合後、球場へ向かう車中で知人からのメールで知ったと打ち明けた。「いきなり1番。『あれ、オレ1番ライトや』って笑ってました」と振り返った。

 第4打席で左前打を放つと、今季7個目の盗塁を決めホームも踏んだ。これで3試合連続安打。慣れない代打起用が続く今季は、自己ワースト34打席連続無安打を記録した。「24時間きっちり野球のために使ってますから」というプロ24年目のベテランも、例年以上に調整の難しさを実感する。

 「(体が)野球をやる状態というか、割とノーマルな状態にようやくなってきました。毎年4月が難しいのと同じで、結局これだけの時間がかかってしまう。4番目(の外野手)とは、そういうものとは思いつつもね。やっぱり時間はかかりますね」

 シーズン途中の監督交代や、負傷者続出のチームは試行錯誤を続けるが「ここはチームメートにとにかく恵まれている。それが一番大きな支え。それ以外はグチャグチャでも、その支えがある限りは、なんとか切れずにやっていける」と、前向き。主砲スタントンをケガで欠く中、全員野球が形になってきた。イチローも試行錯誤をし、全員野球に加わっている。後半戦も、41歳のチャレンジは続く。