ドジャース前田健太投手(28)がジャイアンツ戦に先発し、5回6安打3失点で13勝目(7敗)を挙げた。制球に苦しみながらも要所を締め、7月23日以来の5連勝。野茂英雄(1995年)の1年目に並ぶ13勝目を挙げた。

 リードを2度も追い付かれても、追い越されなかった。3-3の同点となり、なお5回表2死二、三塁のピンチで、前田は腕をしならせた。通算202発のペンスを、カウント2-2から146キロ速球で空振り三振。地元ファンの歓声を背に、自然と雄たけびを上げた。「気持ちはすごく入ってました」。右往左往する流れを食い止め、続く5回裏の2点勝ち越し劇を呼び込んだ。

 2位ジ軍との首位攻防第1ラウンド。ド軍首脳陣は中6日に変更してまで、前田をジ軍エースのバムガーナーにぶつけた。エース左腕カーショーをはじめ、この日はカズミアーが故障者リスト(DL)入り。開幕以来、唯一先発ローテーションを守り続ける前田の勝負運を見極める上でも、重要なマウンドだった。

 本調子に程遠くても、前田は空気を察していた。「お客さんの声援、反応、チームの盛り上がりも変わってきました」。サイン違いの捕逸が失点につながる反省点が残る一方で、野茂と並ぶ白星はしっかりとつかんだ。「偉大な投手。素直にうれしいです。ただ、味方に助けられて勝ちをつけてもらいましたから」。次回は味方を助ける番。投げるたびに信頼を深める前田は、エースの心意気をぐっとのみ込んだ。【四竈衛】

 ◆前田の出来高 ジャイアンツ戦で25先発、140投球回に達し、この日だけで175万ドル(約1億7500万円)の出来高を得ることが確定。今季年俸総額は815万ドル(約8億1500万円)となった。