2015年3月の右肘手術以来、着実にステップを踏んできた。前回登板の23日(ロイヤルズ戦)では、術後最多の113球を投げ切った。さらに、中5日の今回は125球。完全復活に近づく半面、常に未知の領域で自分の体と向き合ってきた。だからこそ、ダルビッシュは誤解を恐れず、本音を口にする。

 「この前(23日)よりさらに怖いです。球数が多くても、ヒジが大丈夫かどうか。今、大丈夫でも明日どうなっているか、分からないですから。またトミー・ジョン(手術)をやったら野球は終わりなので…」。物おじしているわけではない。新たなカベをクリアしていくうえで、慎重さと繊細さは不可欠となる。125球の力投が、ダルビッシュのエースとしての自覚を、より鮮明に映し出していた。【四竈衛】