楽天は14日、前アスレチックス岩村明憲内野手(31)と仮契約を結んだと発表した。近日中に正式契約し、仙台市内で会見を開く。正三塁手の中村紀が今季限りで退団。打力のある内野手獲得が来季補強の重点ポイントだった。米田代表は「打てて守れ、しかも大きいの(長打)を打てる。日米の貴重な経験を持っている。リーダーとして期待している」と話した。

 球団は補強リストの上位に岩村の名前を残し、調査を継続。今季国内FA権を取得した横浜村田の動向を注視していたが、残留が決定的となり、素早く岩村にアタック。「星野監督の意向も聞きながら」(米田代表)周到な準備を進め、スムーズに契約の最終段階までたどり着いた。

 5季ぶりに日本球界に復帰するメジャーリーガーを三顧の礼で迎える。複数年を含む大型契約に加え、岩村の代名詞である背番号「1」と、守備はホットコーナーを用意する。田淵ヘッド兼打撃コーチは「この球場(Kスタ宮城)は長打も大切だが、つなぎの意識がより重要になる」と指摘。広角に打ち分ける技術と長打力を兼ね備える岩村の存在は、星野監督が求める攻撃像にフィットする。今季在籍した藪がそうだったように、メジャーでの経験を若いチームに還元してほしい、という狙いもある。