【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)5月31日(日本時間6月1日)=四竈衛】右肘痛で故障者リスト(DL)入りしているレッドソックス松坂大輔投手(30)が、右肘靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)を受けることが確実となった。同市内の病院で、肘の権威と言われるルイス・ヨーカム医師の診察を受け、手術を勧められた。最終的には2日にも行われるレ軍首脳陣との話し合い次第だが、1年以上の年月を要しても万全な状態で復帰することを優先し、手術に踏み切る方向性で固まった。

 松坂自ら望んだ「セカンドオピニオン」は、シビアなものだった。治療のための一時帰国を終え、前日、ロサンゼルスへ到着。この日は、代理人のスコット・ボラス氏らが病院に同行し、ヨーカム医師の診察に臨んだ。

 結果は、「要手術」だった。

 17日にDL入りした際、レ軍の担当医の検査を受け、「右肘靱帯の損傷」と診断された。と同時に、その後の回復状況を見た上で、2週間後に再検査を行い、今後の治療法を検討することが確認された。その間、細胞の活性化や筋肉再生、整形医療などにも使われるPRP療法(血小板注射)をはじめ、日本でも治療を重ね、故障箇所の回復状況を見守ってきた。今回の検査は、経過を見る上で適切とされる2週間後。それでも、ヨーカム医師の所見は、リハビリ継続ではなく、移植手術による完全治癒だった。

 「全てはボストンへ戻って球団と話し合ってからです。球団から発表があると思うので、僕からはその後にお話しします」。松坂自身、診察結果や今後の方向性について語ることはなかった。ただ、DL入りした直後には、「だましだまし投げて勝てるほど、ここ(メジャー)は甘くはない」と、根本的な治療の必要性をにおわせていた。関係者によると、既にボラス氏を通してレ軍側に、今回の診察結果は伝わっており、最終的には2日にも予定される話し合いで、正式に決定する見込みだ。

 今後は、早ければ来週中にも同地でヨーカム医師の執刀による手術が行われることになる。トミー・ジョン手術の場合、復帰までに12~18カ月を要すると言われ、今季だけでなく、来季の開幕も絶望的。順調に進んだ場合でも、来季の球宴明けで、松坂にとっては長いリハビリ期間を要することになる。それでも、以前から究極の目標としてきたのが「45歳まで投げること」。厳しい現実を突き付けられても、30歳の松坂が下を向くはずはない。