ホワイトソックス村上宗隆内野手(26)が渡米後初の逆方向弾でリーグ2冠に浮上した。8日(日本時間9日)、本拠地マリナーズ戦に「2番一塁」で出場。1回にアーロン・ジャッジ外野手(34=ヤンキース)に並ぶメジャートップの15号先制ソロを放った。8カード連続での初戦本塁打は史上初の快挙で、29打点もリーグトップタイ。NPB史上最年少の三冠王の存在感は、メジャーでも際立ってきた。

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外へ回転する速球系を攻略するお手本のような、村上の打球だった。1回の第1打席。マリナーズの先発右腕ハンコックと対戦。カウント1ボールから真ん中外寄りの時速95・4マイル(約153・5キロ)のシンカーにバットをぶつけた。わずかに差し込まれても、手首をこねることなく振り抜く、天性のアーチストの高等技術。米移籍以来、初めて左翼席へ、4日以来3試合ぶりの先制15号ソロをたたき込んだ。

8カード連続での初戦本塁打は、偶然では生まれない。メジャー1年目で初対戦の投手ばかり。試合前、球種や配球パターン、入念なデータを頭にたたき込んでも、数字だけで各球種の軌道はイメージできない。ただ、空振りを恐れ、当てにいくつもりもない。「自分のスイングをすることを考えて打席に入っている。結果として本塁打が出るのはすごくいいこと」。目の前の結果に一喜一憂せずとも、コンスタントに柵越えが出る感覚は悪くない。

リーグトップタイの15本塁打、29打点の一方、同トップの57三振、同4位の29四球。際どいコースは強引に追いかけ過ぎず、ゾーン内の球は確実に仕留める。毎打席、フォームを崩さないためにも、常に「自分のスイング」を続けることへのこだわりが見え隠れする。「まだまだ課題もたくさんある」。

ホ軍は、序盤に4点差を追いつきながらも、投手陣が踏ん張れず完敗。3連敗を喫した。それでも、再建途上のチーム内で、「村上効果」は計り知れない。この日の試合前、ゲッツGMは現地メディアに対応。村上の存在感について語った。「彼が持ち込んだもの、影響、インパクトは大きい。彼の知性、勤勉さを見ていると、もっと良くならないとは考えられない」。

昨オフのFA市場では、高めの速球への対応力不足が指摘されたが、今や獲得を見送った他球団への批判が頻出するほど、評価を覆してきた。「日に日に成長していければと思う」。周囲からの逆風をはね返し、なお前へ進もうとする村上の姿に、米国の野球ファンも魅了され始めた。

▼ホワイトソックス村上がマリナーズ1回戦で15号。4月14日レイズ戦から8カード連続で初戦本塁打は、並んでいた87年エディ・マレー(オリオールズ)を抜いてメジャー記録を更新。デビューから出場38試合目の出場で15本は、17年ホスキンス(フィリーズ)の18本に次ぎ、18~19年のアキーノ(レッズ、後に中日)に並ぶメジャー史上2位で、球団では初めて。シーズン63発ペース。