【メリーベール(米アリゾナ州)8日(日本時間9日)=四竈衛】ポスティングシステム(入札制度)でブルワーズから落札されたヤクルト青木宣親外野手(30)が、同地のキャンプ施設でブ軍首脳陣に練習を披露した。非公開だったもののダグ・メルビンGM(59)ロン・レネキー監督(55)ら首脳陣8人のほか、オーナーのマーク・アタナシオ氏(54)も視察。「1番中堅」のレギュラーとして、期待度の高さをうかがわせるお披露目となった。

 独特の緊張感がありつつも、和やかな空気が漂う中、青木は少しずつ、自らの資質を披露した。午前10時半過ぎに始まった練習はキャッチボール、約90メートルの遠投、中堅でのノック及び三塁送球、ロングティー、フリー打撃など約1時間15分に及んだ。その間、私服姿のレネキー監督が、プレー内容を細かく指示。1月初旬のこの時期、完璧な状態であるはずはない。それでも青木は、32スイングの打撃練習で広角に打ち分け、最後を柵越え2連発で締めくくった。

 今回の練習視察は合否を決める入団テストというよりも、交渉をより円滑に進めるための実技披露の意味合いが濃い。ブ軍は昨季MVPのブラウンが薬物検査で陽性と判定され、開幕から50試合の出場停止となることが濃厚。青木はその代役としてだけでなく、主力の1人として期待されており、年俸折衝だけでなく、今後のブ軍の編成全体を見極める目的も兼ねていた。アタナシオ・オーナーがビデオカメラを手に熱心に見つめていたのも、その表れだった。

 練習後、レネキー監督は「今日の練習については話せない。無事に終わった。申し訳ないが、それ以上のことは言えない」とコメントした。一方の青木は、報道陣と接することなく、施設から立ち去った。テストの評価や提示条件は不明だが、交渉期限の17日午後5時(日本時間18日午前7時)には「ブ軍青木」が誕生しそうだ。