【スコッツデール(米アリゾナ州)14日(日本時間15日)=四竈衛】今季からダイヤモンドバックスに移籍した斎藤隆投手が42歳の誕生日のこの日、新天地で初練習を行った。メジャー7年目、日米21年目を迎えるベテランが、20日(同21日)のキャンプ初日へ向けて、確かな第1歩を踏み出した。

 謙虚な言葉をよそに、動きはシャープだった。「まだまだ学ぶべきことがいっぱいある。可能な限り、新しいことに挑戦していきたいです」。新陳代謝が鈍くなり、尿酸値が下がらないなど、冗句交じりに話すように、年齢との闘いは避けて通れない。だが、斎藤の志は例年以上に高かった。

 過去数年は、相次ぐ故障に悩まされた。昨年に身体検査を受けた際には、右肩関節の位置にズレが発見された。だが、その後は担当医ですら驚くほど回復し、ほぼ万全な状態で米国入りした。今キャンプでは左打者へのツーシームのほか、新球チェンジアップ習得にも挑む予定だ。

 練習前には、ギブソン監督と約15分間話し合い「プレーよりも早くチームになじんでほしい」と要請された。「頂点を目指して、チャンピオンになれるようにしたいです」。リーグ最年長投手となった斎藤は、落ち着きはらった口調ながら、その瞬間だけ、語気を強めた。