【ポートシャーロット(米フロリダ州)3日(日本時間4日未明)=四竃衛】レイズとマイナー契約を結んだ松井秀喜外野手(37)が、「特別DH」で調整ペースを上げていくプランが検討され始めた。前日2日から同地でのマイナー延長キャンプに合流。5日(同6日)に実戦形式のフリー打撃を行い、週明けの若手選手の練習試合では1日に6~10打席立って調整する可能性が出てきた。来週中にも予定される3Aダーラムでの出場を前に、特例措置がとられる。

 松井のメジャー昇格を加速させる特例措置が、真剣に検討され始めた。この日からマイナーの延長キャンプに合流。今後は「特別DH」として、練習試合で通常の倍以上となる10打席程度立つプランが浮上してきた。

 契約が決まらなかったとはいえ、オフは日本とニューヨークで例年以上に振り込みを続け、体を絞り込んできた。不足しているのは、150キロ前後の速球と鋭い変化球に対応する実戦感覚だけ。そこで、同地に滞在中の練習試合では、打順やアウト数を度外視した特別ルールを適用。1イニングに2打席、または毎回の先頭打者など、より多くの打席に立つ可能性が出てきた。

 というのも、レ軍首脳陣は調整ペースについて松井の意思を最大限に尊重。マイナーのサンドバーグ統括コーチは「(今後の)時期は彼次第。生きた投球を打って試合に出られる状態になることが大事」と、必要な練習には全面的に協力する姿勢を見せた。その一方で、18歳をはじめとする若手選手らに対し、メジャーで実績を残した松井を生きた教材にさせたい考えもある。同コーチは「ここはもっとも若いレベル。松井と一緒にプレーするのは、若い子にとっても素晴らしいことだ」と歓迎する。

 合流初日は「久しぶりだったのでうまく合わせられなかった。やっぱりこうやって他の選手と練習するのはいいですね」と笑いながら振り返った。2日目のこの日も黙々とメニューをこなした。今後は5日に実戦形式のフリー打撃を行い、週明けには練習試合に出場。来週中での3A戦出場へ向けて、着実に実戦のステップを踏んでいく。