カブスは29日(日本時間30日未明)、右前腕部の張りを再発させていた藤川球児投手(32)が右肘靱帯(じんたい)修復手術を受けることを発表した。26日のレッズ戦で右肘付近に痛みを訴えて途中降板し、今季2度目の故障者リスト(DL)に入っていた。前日28日に精密検査を受けていたが、靱帯が断裂していることが判明。手術日は確定していないが、米国で実施する見通しだ。

 藤川はこの日球団で会見し、「誰しもがこういう可能性がある。前向きに捉えるしかない。長く苦しいリハビリになるかもしれないけど、今よりいい状態で帰れると思う。その時を楽しみにして頑張りたい」と気丈に話した。スウェイム監督は「チームにとっては大きな打撃だ」と残念そうに話した。

 藤川は4月中旬に右前腕部の張りを感じ、同13日からDLに入った。リハビリをへて、5月10日に復帰したばかりだった。26日レッズ戦ではメジャーで初めて回をまたいで続投。「ボット選手に投げた時にきたのかもしれないですね。確かに」と振り返った。

 藤川にとって、阪神時代を通じて初めての手術になる。米球界でプレーする同世代では、松坂が11年、和田が昨年、同じ手術を受けた。28日には自身の公式ブログで「この故障も自分の人生の中では勝負なんです。自分と戦う時間です。逆境こそ自分のチャンス!」とつづっていた。

 今季はメジャー特有の硬いマウンドにも苦しみ、12試合に登板して1勝1敗、防御率5・25にとどまっていた。腱(けん)を移植する手術のため、腱の定着まで約7カ月を要する。実戦復帰にも約1年を要するため、来季開幕も絶望的な状況だ。日本で通算220セーブを挙げたリリーフエースがメジャー挑戦1年目で、大きな決断を下した。