楽天田中将大投手(24)がオリックス打線を10安打2失点(自責1)に抑え、今季8度目の完投で開幕からの連勝を21に伸ばした。同一シーズンの連勝記録は、57年稲尾和久(西鉄)の20連勝を抜いて日本新記録。

 田中の21勝到達に、楽天の先輩でもあるマリナーズ岩隈久志投手(32)も祝福を惜しまなかった。楽天時代の08年、岩隈は21勝4敗、防御率1・87の成績で投手タイトルを総なめにした。その数字に肩を並べられたが、田中の潜在能力は、入団直後、すぐに感じ取っていた。「力がある上にいろいろな経験を積んで、今はいい状態でプレーできているのだと思う。とても器用で、すべての球種がいいし、気が強くて負けず嫌い。責任感が強く、常に上を目指しているのもすごい。ダルが(ブログ上で)言ったように、できて当然、とは言いませんが、それぐらいできる力は持ってますからね」。

 岩隈自身、21勝を挙げたシーズンは、勝ち星への意識はなかったという。「数字のことはあまり考えなかった。ただ、やっぱり19勝と20勝は違うのかもしれません。19勝すれば20勝したくなりますし、周りのプレッシャーを少なからず感じましたからね」。

 当時は故障明けでもあり、「夢中で投げた結果」だった。だが、今となれば「20勝」の重みは感じる。松坂、ダルビッシュも届かなかった区切りの数字。「毎年(20勝投手が)出てくるわけじゃないし、ほとんどの試合で勝つわけですからすごい数字。ただ、中継ぎ、抑えの人に助けてもらって、すべてがつながるわけで、1人で勝てるものでもない。狙ってできる数字じゃないと思います。ただ、マー君の場合、個人のことより、チームの勝利、優勝しか考えていないと思いますよ」。無傷の連勝記録以上に、古巣を初優勝に導こうとする快投の連続に、感服していた。【四竈衛】<80年以降に21勝以上を挙げた投手>80年

 木田勇(日本ハム)22勝8敗

 防御率2・2884年

 今井雄太郎(阪急)21勝9敗

 防御率2・9385年

 佐藤義則(阪急)21勝11敗

 防御率4・2908年

 岩隈久志(楽天)21勝4敗

 防御率1・8713年

 田中将大(楽天)21勝0敗

 防御率1・23