阪神の守護神呉昇桓投手(32)が異例の実戦登板3試合でシーズン開幕戦に向かうことが1日、明らかになった。2年目の今季はマイペース調整を続ける中、10日の広島とのオープン戦(甲子園)で初実戦を踏むことが濃厚。その後、1軍のオープン戦は9試合予定されているが、2試合だけの登板にとどめる方向だ。

 実績を考慮しての「ゆとり調整」になる。昨年は2月20日の紅白戦で実戦初登板。タップダンスのように2段階で左足を踏み出す投球フォームの是非など、確認作業が多かった。オープン戦も6試合登板。それが2年目を迎えて様変わりする。連投への対応もすでに実証済み。14日からの関東遠征にも同行するが連投は控える。本人も「ゲームで投げないだけで(練習を使って)去年と同じように投げるので。(登板数の目安は)特にない」と頼もしい。

 キャンプでは2月18日に打撃投手として15年型ツーシームを試すなど、余裕の調整を続けてきた。常々口にする「セーブの失敗を減らしたい」という意気込みは取り組みにも表れている。落差が増し、左右両方の打者に使える新兵器も、ライバルたちへ必要最低限のお披露目で済みそうだ。

 首脳陣からの信頼も厚い。8回の男選定など救援陣にはまだ未確定要素が残されているが、ストッパーだけは別格だ。「開幕にベストを持っていくだけ」という言葉の通り、貫禄の歩みで3・27を迎える。