楽天が科学的根拠に基づいた第2先発投手を置く。5日、倉敷マスカットスタジアムで練習した大久保博元監督(48)は、チーム戦略室の山本一郎アドバイザー(42)らと約3時間にわたり話し合い、今後の方針を確認した。第2先発以外でも、細かなデータに基づき、役割や強化策を決めていく予定。科学の力を味方につける。

 マスカットスタジアムの一塁側監督室から出てきた大久保監督は、チーム戦略室の面々との話の内容を説明した。「選手によっては2人で5回を任せる形になる。第2先発をつくる上で、どういう組み合わせがいいのか、話をしました」。今後のチームの戦い方や、出して欲しい資料などについて話を重ねるうちに、第2先発の必要性に行き着いた。

 楽天の先発陣は絶対的エースの則本をのぞけば、完投能力に優れているとは言いがたい。その戦力的に不足している部分を2人の投手で試合をつくる形で補っていくのが第2先発プラン。7回以降のリリーフ陣をクルーズ、松井裕、ミコライオで固め、そこにつなげる投手陣を整備する。そんな大久保監督の考えを具体化するために、戦略室のデータが役立てられる。

 大久保監督は「具体名は言えないけど、30球でバテだす投手がいて、17球以降は球威が落ちていくとか、そういうのが科学に基づいて出る。4回で代えなきゃいけない選手も分かる」と言う。そのデータを先発と第2先発の組み合わせ選択に活用したり、若手の強化ポイントの割り出しに用いていく考えだ。

 戦略室のデータは攻撃にも活用される。運用できる部分は12日のオリックス戦(姫路)から取り入れていく。大久保監督は「我々の戦いの中に科学からの力を取り入れたい。科学とは、理論付けされていること。それをメーンに作戦を考えたい」と、科学戦隊になる構えだ。【竹内智信】