今年のメッセは「ねば~るガム投法」で勝負! 開幕投手が内定している阪神ランディ・メッセンジャー投手(33)が西武戦に先発し、貫禄の投球を見せつけた。速球に変化球をまじえて抑えるスタイルはいつもと同じだが、口元の動きが普段と違う。愛用するかみタバコではなく、ガムを口に含んで投げた。

 長い野球人生の「変革」だった。「タバコをやめたんだ。新年からね。いまがやめどきかなと。子どもが大きくなってきて、悪い習慣を見せたくない」。父としての自覚だった。これまでマウンド上でリラックスする効果もあるアイテムをあえて捨てガムを選んだ。

 まさに粘りのマウンドさばきだ。2回、中村、メヒアに連打されて無死一、二塁のピンチを背負うと細やかさに気を使う。坂田を低めフォークで空振り三振。2死後、元気印の森には内角低めカーブで空を切らせた。「宜野座のDeNA戦(2月24日)は真っすぐ主体だった。あの試合、変化球が良くなかった。変化球を多めに投げたかった」。テーマも明確だ。この日は制球の定まらないスライダーなど変化球を多投し、入念に精度をチェックした。

 すでに2月の沖縄・宜野座キャンプ中に開幕投手が内定。中西投手コーチは「前回より良かった。縦のブレーキがかかる球はこれから。真っすぐは良かったし、ベース上に来ていたね」と評した。3月27日の開幕中日戦(京セラドーム大阪)の登板は決定的だが肩の力は抜けている。「シーズンに向けての準備だから。それだけさ。シーズンは143試合、あるんだから」。自然体なスタンスが頼もしい。【酒井俊作】