巨人先発アーロン・ポレダ投手(28)が、野球の洗礼を浴びた。初登板の1回を「緊張もあった。リズムをつかむまで時間がかかった」と振り返った。つかませてくれなかったのはDeNA打線だった。石川が1球も振らず四球。桑原にバントの構えをされ、ボール2球の後、3球目に盗塁された。キッチリ送られ、梶谷に2球目の外角148キロを打ち抜かれた。「当てることがうまく積極的に振ってくると思った」。シナリオ通りの先制適時二塁打の直後、4番筒香への初球だった。

 切った瞬間にセーフと分かる三盗を企画された。捕手小林の悪送球で、梶谷は生還した。敵の研究に人生を懸けている面々が、各チームに潜伏している。ポレダも例外なくロックオンされ、足を使われ、つかまった。「最初から積極的に、思った通り投げられるように。走者を進めないための策も練って。次、進歩していけたら」と殊勝だった。

 踏み出した右足の爪先が浮き、かかと体重となり、体が三塁側に流れる。制球に苦労すると同時にフィールディングも一瞬、遅れる。5回1死、梶谷のピッチャー返しを捕球できず、安打となった。原監督は「ちょっとミスが重なった。(球に)力はある。1つ、変化球の精度が出てくるといい。次回です」と注文。同時に、ゲームをつかさどる立場から「あれだけクリーンアップに打たれると。対策が必要。主導権を握られ(チームの)良さを出しづらかった」とも言った。

 長身左腕。150キロで、鋭いクロスファイアのラインを出せる。日本野球の脅威となる土台があるから2戦目を託された。きまじめな性格。速やかに土台を磨き上げる。【宮下敬至】