巨人が、1年間でも数少ない完敗を喫した。先発大竹寛投手(31)が3回持たず4失点KO。打線は中日先発吉見のコーナーワークに翻弄(ほんろう)され、散発2安打に終わった。2回2死二、三塁、一塁阿部が送球を捕れず適時失策に。7回無死一、二塁ではバント処理を投手に委ねて安打となり、一気にピンチが拡大した。原監督は「う~ん。うちのペースで運べなかった」と絞り出した。

 「うちのペース」で運べなかった原因は、大竹の投球だった。1回先頭の大島に変化球主体で入り、甘いスライダーを三塁打。2番亀沢には、甘めの外角直球で入り、前進守備をあざ笑う左前適時打。6球で失点。被安打7本のうち5本が投手有利のカウント。吉見と対照的で、ツメの甘さが目立った。「追い込むんだけど、打たれてしまう。申し訳ないし、悔しい」と話した。

 昨季22試合に先発し、11試合で先制を許した。主導権を簡単に渡しては信頼を勝ち取れない。「オープン戦から良くない。期待を込めて送り出したが」とした原監督。変わり身に期待か、の問いに「その言葉は当てはまらない」と再調整を示唆した。球威で押すか、制球を磨くか。現状、1軍の勝負には両面が足りない。厳しい現実を突きつけられた。【宮下敬至】