とんでもないルーキーじゃ! 広島ドラフト1位野間峻祥外野手(22)がDeNA戦でプロ初の猛打賞を決めた。8回に、同点とする中越え適時三塁打を放った。4回、6回にも安打を放っており、これで猛打賞。守ってはレーザービームを披露するなど、走攻守で魅了した。延長12回サヨナラ負けを喫したが、野間の活躍は大きな収穫になった。

 野間のヘルメットは、ずれて目深になったままだ。ユニホームは土で茶色く染まっていた。気迫がこもったヘッドスライディングだ。そのまま2度、3度と大きく手をたたく。呼応するように赤のメガホンが揺れた。野間は眉間にしわをよせ、歯をぐっとかみしめている。心優しき青年の表情は鬼と化していた。

 「打ったのは直球だと思います。とにかく来た球に集中して強く打とうと思いました。抜けてくれてよかったです」

 1点を追う8回2死二塁。高まるボルテージとは対照的に、野間は冷静だった。ボールを見極めカウント3-1に持ち込む。国吉の速球にタイミングを合わせていた。そして5球目。低めの146キロに反応した。投げ出すようにバットを出すと、打球は中堅手の頭上を超えた。快足を飛ばし、頭から滑り込んだ。気迫のこもった三塁打だった。

 開幕を控え、野間は緒方監督に呼ばれた。誰もいない監督室に1人。「どうだ?」から始まった会話。長い時間ではなかったが、心に余裕が生まれた。アドバイスは簡単だった。「修正は秋(キャンプ)からでもできる。形をあれこれ変える必要はないからな。思い切ってやれ」。オープン戦では結果が出ず、フォームで悩む日もあった。だが、これで吹っ切れた。

 「流れを変えるプレーを期待されているんだと思う。ミスとかではない。思い切ってやるだけです」

 3月29日にプロ初スタメンを果たし、いきなり初安打を含むマルチ安打をマーク。さらにこの日は、第2打席で内野安打、第3打席でも二塁打を放った。これでプロ初の猛打賞。迷いのないプレーが目立つ。守備でも7回2死一、二塁から右前打をさばくと、勝ち越しを阻止するレーザービームを本塁に送球した。流れを変える男になる。野間が迷い無く突っ走っていく。【池本泰尚】