レジェンズデーに阪神ランディ・メッセンジャー投手(33)が伝説を作った。1回に3点を失ったが、7回を投げ終わり奪った三振は11個。今季初の2桁奪三振は通算で11度目。外国人では、阪神と巨人で活躍したメイに並んで両リーグ最多の2桁奪三振記録だ。

 初回は新伝説樹立を予想させない乱調だった。1死一、三塁から4番坂本の一ゴロの間に先制されると、阿部に適時二塁打を許した。さらに井端に死球を与え、長野に左前適時打。あっという間に3失点。メッセンジャーはベンチに戻ってくると、ベンチにグラブをたたきつけた。「1回が終わって切り替えたと言うか、もう1度仕切り直しだと。そう思えたことで2回以降の投球が良かったんだと思う」。ヒートアップした自らを落ち着かせた。2回以降はスコアボードに0を並べ、昨年の奪三振王の本領を発揮していった。

 直球が走らなかったが、変化球を武器に巨人打線を封じた。4回は奪ったアウトは全て三振。1点差に追いついた直後の5回は2死一、二塁を迎えたが、長野に膝元からフォークを投じ、空振り三振を奪った。

 14年9月2日DeNA戦(甲子園)以来の2桁奪三振の奪三振ショー。助っ人右腕は「三振をたくさん取れたけれども、負けてしまって悔しい。いつも言っていることだけど、個人的な記録より試合に負けてしまったのは…」。日本球界に残る記録に並んでも、喜ぶ様子はみじんもなかった。前回登板11日広島戦に続き2連敗。次回は中4日で22日DeNA戦(横浜)の登板とみられる。【宮崎えり子】

 ▼メッセンジャーが11三振を奪って来日11度目の2桁奪三振を記録。11度の2桁奪三振は、メイ(阪神-巨人)と並んで両リーグ外国人最多。メッセンジャーの2桁奪三振は11、12年に各1度、13、14年に各4度、そして今季は今回が初めての2桁奪三振だった。