仙台大がリーグ3度目、2位に並ぶ1イニング15得点をマークした。東北工大を2-0とリードした7回に、2本塁打を含む11安打を放った。打者2巡の19人を送り込む大爆発で、7回コールドと先勝した。

 開幕から低調だった仙台大打線がリーグ記録の17得点にあと2と迫る、超ビッグイニングをつくった。7回先頭の7番千葉俊(3年=盛岡大付)の左前打を皮切りに、東北工大3投手に11安打を浴びせて15得点。森本吉謙監督(40)は「選手がもがき苦しんでいる。一番の薬はこうやって結果を出すこと」と評価した。

 主将の薄井新(4年=矢板中央)が不調で、右肩を痛めている郷古裕樹(3年=仙台育英)もスタメンを外れた。昨春67季ぶりの優勝を支えた2人は7回に代打で登場し、そろって左越えにリーグ初本塁打。薄井は「バットを替えた」と話し、昨年の全日本大学選手権初戦で同点アーチをかけた長さ84・5センチの「宝物」で一撃だ。郷古も「肩が痛くても試合に出させてもらっている。結果を出したかった」と胸をなで下ろした。

 開幕から3試合のチーム打率は2割1分1厘。勝ち点を取った東北大とのカードは、2回戦を落とし3回戦にもつれ込んだ。「野手で点を取って、投手を楽にしようと話し合ってました」と薄井主将。自主練習では多くの選手が打撃だけに取り組み、必死になっていた。この日は計17安打。今後の投手陣の負担を減らす意味でも、明るいきっかけをつくった。【久野朗】

 ◆仙台6大学の1イニング得点 最多は11年秋に仙台大が東北大戦の6回にたたき出した17得点。15得点は99年春に東北福祉大が東北工大戦の4回に、10年秋にも同大が宮城教育大戦の3回と、2度記録している。今回の仙台大15得点は9季ぶり。