ゴールデンウイークをまさに、貯“金”週間にした。DeNA中畑清監督(61)の笑いが止まらない。「こんなに早く20勝しちゃっていいのかな? いつも6月くらいなのにね」。今季2度目の5連勝に、さらに4度目の同一カード3連勝、加えて4月28日から始まった9連戦を7勝2敗と大きく勝ち越した。本拠地では8年ぶりの7連勝も飾り、球団史上初の両リーグ20勝に一番乗りした。

 ベテランと若手が日替わりでヒーローになった。チーム最年長の三浦が23年連続白星を挙げた翌日は、1軍最年少で指揮官の秘蔵っ子が主役だった。1-0の6回、1死満塁で2年目の関根に打席が回った。ベンチから「左投手だったら交代かもしれないけど準備しなさい」と指示を受けたが、登板したのは右の秋吉。そのまま打席に立ち、3球目のスライダーを振り抜くと、前進守備の右中間を深々と破る走者一掃の三塁打。4日連続で試合前夜にニンニクを食べてパワーを注入している19歳は「打った瞬間に抜けたと思った。チームも勝ってるし、食べ続けないといけないですね」と笑顔を見せた。

 1つのミスから崩れないのが今季のDeNAだ。6回は、リーグトップ11盗塁の梶谷が先頭で出塁しながらけん制死。追加点の絶好機をつぶしかけたが、筒香からの3連打で満塁とし、関根の一打につなげた。中畑監督は「まずいプレーが出ても、みんながカバーし合っている。チーム力が上がっている証拠」と、うれしそうにうなずいた。

 開幕前、中畑監督は優勝を目標に掲げた。そして「スタートダッシュを決めて、どこまで行けるかが大事なんだよ」と、言い続けてきた。日本一に輝いた98年でも、20勝一番乗りは広島に譲った。貯金を6に伸ばして9連戦を締めくくり「負ける免疫はあるけど、勝ちの世界には慣れてないのよ」と冗談も交えつつ、「全員が勝ち試合にするために最大限の努力をしてくれている」と胸を張った。ベテランと若手が融合した就任4年目こそ、夢に向かって突っ走る。【鹿野雄太】

 ▼DeNAが5連勝で両リーグ20勝一番乗り。本拠地の横浜スタジアムでは4月22日阪神戦から7連勝となった。DeNAのセ・リーグ20勝一番乗りは78年以来6度目だが、過去5度はパ・リーグのチームが先に20勝へ到達。両リーグ20勝一番乗りは球団史上初めてだ。この日は三嶋、田中、山崎康のリレーで逃げ切り。今季のDeNAは逆転負けが4月4日ヤクルト戦(2-0→2-6)同19日ヤクルト戦(8-5→8-9)と両リーグ最少の2試合だけ。この日のように先取点を奪った試合は13勝1敗で、4月7日阪神戦から10連勝中だ。