ソフトバンクが日本ハムとの首位攻防戦に3連勝し、2位と今季最大2・5ゲーム差に広げた。先発リック・バンデンハーク(30)は13奪三振の7回2失点で連勝の2勝目。首脳陣は絶賛しながらも、分厚い外国人選手層の関係から、今日22日に出場選手登録を抹消する。2度目の4連勝で貯金を最多15に増やした以上に、鷹のたくましさが際立ってきた。

 3万8500人満員のヤフオクドームに、何度も拍手とどよめきが沸き起こった。バンデンハークが堂々の奪三振ショー。圧巻は6回だ。田中、中田、大谷の主軸を直球で3者連続の空振り三振。7回までに奪った13三振は今季の先発投手の中でも最多。12個が空振りで、198センチ長身から投げ下ろす150キロ超の直球がうなりを上げた。

 「前回よりもリラックスして臨めた。(細川)亨がいいリードをしてくれたので信じて投げた。今日の投球には自分もうれしく思っている」

 今季2度目の登板。初回先頭西川に四球を与え、先制点を許したが、その後は安定していた。8回も続投予定だったが7回に内川の3点二塁打で逆転。勝ち投手の権利が転がり込み、リリーフ陣に託した。「信じていたことが現実になった。内川に感謝しているよ」。工藤公康監督(52)も「ボール自体素晴らしい。コントロールさえできればそうそう打たれない」と絶賛した。

 オランダでは父ウィムさんがインターネット動画で息子の活躍ぶりを観戦していた。父が地元の野球チームでコーチを務めていた影響で、オランダで盛んなサッカーではなく野球に励んだ助っ人。「父とは今も毎日電話で話しているんだ」。日ごろの感謝の思いをマウンドでぶつけた。

 会心の逆転勝ちで、首位攻防戦に3連勝。試合後には、衝撃の事実が明らかになった。工藤監督が、バンデンハークの出場選手登録を今日22日に抹消すると明言。チームトップ6勝のスタンリッジを再登録し、24日西武戦で起用する予定。球宴までの間、2人を2試合ずつ投げさせる、ぜいたくで重厚なプランだ。

 指揮官は「1軍で緊張しているだろうし、球数もそこそこ投げている。7月はローテでも空く試合があるので、1度外れて、次に投げてもらうことを考えている」と事情を説明。抑えのサファテ、セットアッパーのバリオスを外す予定はなく「バリオスも悪くはないので併用をとらざるをえない。調子をみて考えていく」と明かした。

 結果を残せる外国人選手を抱えるソフトバンクだからこそできるウルトラC。日本ハムを突き放す3連勝を飾った上に、チームの余力を感じさせた。【福岡吉央】

 ◆ソフトバンク先発陣の見通し 今日22日にバンデンハークを登録抹消する予定。23日から7連戦、1日空いて2連戦があるが、スタンリッジを登録することで、武田、大隣、中田、寺原、岩崎(帆足)らでローテーションは埋まる。バンデンハークは7月2日以降に再登録が可能で、同5日オリックス戦での先発が予想される。