首位独走ローテや! 阪神が3強から抜け出すため、1・5ゲーム差まで離したヤクルト、巨人の両チームを一気にたたく先発ローテーションを固めた。14日からの敵地ヤクルト3連戦には藤浪晋太郎投手(21)、岩田稔投手(31)の2枚を投入。18日からの敵地巨人3連戦にはランディ・メッセンジャー投手(33)、能見篤史投手(36)、藤浪の3枚を惜しげもなく注ぎ込む。勝負の季節に4本柱をフル稼働させ、混セ劇場に終止符を打つ。

 混セ脱出への青写真が浮かび上がった。今日11日からは中日3連戦。その後、待ち受けるのは、激しく首位の座を奪い合うヤクルト、巨人との6試合。V奪回へ、どちらの3連戦も重視する必要がある。猛虎は一気の首位独走を狙い、先発ローテを組み替える。

 軸は大黒柱の藤浪だ。次回は14日、中5日でヤクルト3連戦初戦に先発。そのまま2戦連続で中5日の間隔を保てば、20日巨人戦にも先発できる。以前から「若い自分が長いイニングを投げていかないといけない」と話してきた21歳。間隔を詰め、眼下の2チームからの価値ある2連勝を狙う。

 18日からの巨人3連戦には4本柱のうち3枚を投入する。初戦はメッセンジャーだ。次回は中4日で12日中日戦に先発予定。その後は中5日で18日巨人戦に回る。今季は巨人戦4試合に先発し、2勝2敗ながら防御率2・79。初戦の担い手としては最適。第2戦(19日)の能見は今季巨人戦2勝1敗、防御率3・32。自身3連勝と上昇中で、元祖Gキラーに期待がかかる。初戦から右、左、右の順番で投入できる流れもバランスがいい。3連倒も狙える布陣だ。

 一方のヤクルト3連戦も岩田の投入で層が厚くなった。当初、今日11日からの中日3連戦は岩田、能見、メッセンジャーの先発が予想され、次のヤクルト3連戦は4本柱のうち藤浪しか登板できない算段だった。

 ただ、岩田はここ2試合で計10回1/3を8失点と疲れが見えていた。中10日まで空けて体調回復を狙うと同時に、ヤクルトに「4分の2」をぶつけることが可能となった。岩田は今季ヤクルト戦に3戦2勝0敗、防御率2・79。好相性も盾に復調を遂げ、ツバメをたたき落としたいところだ。

 体力自慢のメッセンジャーは巨人戦後、再び中4日で23日DeNA戦に向かうことが濃厚。能見は巨人戦後、今季4勝1敗、防御率1・69と抜群の相性を誇る広島を相手に3週連続で先発する可能性も十分ある。

 中西投手コーチは10日、甲子園室内練習場で投手指名練習を見守った後、「カード、球場、コンディション、相手投手。そこまで全部考えないといけない」と冷静に先を見据えた。あらゆる要素からベストの先発ローテをあぶり出し、V奪回ロードの独走に入る。

 ▼首位阪神は10日現在2位ヤクルトに1.5ゲーム差。今季阪神が首位で2位との最大差は2ゲーム。6月28日DeNA戦(甲子園)に勝って1分けを挟む6連勝とし、2位巨人に2差とした。しかし、次戦6月30日ヤクルト戦(神宮)から4連敗し、首位の座も明け渡した。以後、首位に返り咲いても2位とのゲーム差は2以上開いていない。