中日は左肘痛から復帰したラウル・バルデス投手(37)の力投を無にした。7回まで1失点と好投したが援護も1点。左腕は8回に3連続長打を浴びて決勝点を奪われた。借金は今季ワーストを更新する16。京セラドーム大阪での阪神戦は昨年から10連敗になった。

 7回終了時で99球。本人もベンチも続投で一致していた。8回は2死後、鳥谷に二塁打。続く坂に威力を失った直球を打たれ、左中間を割られた。福留にも適時二塁打された。「調子はよく、肘も問題なかった。最後、打たれちゃいけないところで打たれたのが悔しい」。ベンチ裏で次々と肩をたたかれた。誰も左腕を責めなかった。

 開幕から中4日先発を続け、フル回転した。無理がたたったか6月21日に左肘痛で2軍へ。ようやく戻ってきたが、援護に恵まれないのは離脱前と同じだ。谷繁兼任監督は「バルデスが投げるときはなかなか点が取れず、結局彼に負けがついてしまうことが本当に多い」と相変わらずの負けパターンに嘆き節だ。

 バルデス不在の間、チームは先発不足にあえぎ成績も落ち込んだ。7月に新外国人投手のペレスとネイラーが加入。だがペレスは脚を痛めてデビューのメドも立っていない。バルデス復帰の明るい材料と勝利が結びつかないところに、中日の苦しさが表れている。首位阪神とは11ゲーム差。昨年も8月の京セラドーム3連敗から大失速した。秋風を吹かせるには早すぎる。【柏原誠】