V戦線突破へ、秘策あり!! 阪神が大勝負の9月に向け、ウルトラプランを温めていることが8月31日、分かった。今日1日の広島戦(甲子園)に先発する能見篤史投手(36)を登板後に出場選手登録抹消し、12日の同カードにぶつける方針が判明。上位3球団に徹底して先発4本柱をつぎこむ。また、8日からの巨人3連戦(甲子園)の直前には異例の全体練習を行う方向。さあ、勝負の月が幕を開ける。

 10年ぶりのペナント奪取に向けて、突っ走るべきVロードが見えてきた。いよいよ、今日1日から運命の9月戦線が始まり、和田豊監督(52)が勝負手を繰り出す。くっきりと浮かび上がるキーワードはズバリ2つ。「必勝」そして「団結」を合言葉に強敵に立ち向かう。秘策を連発し、なりふり構わず、スパートをかける。

 <1>必勝 いまは1週間6連戦の日程のまっただ中にあるが、ここにきて和田阪神は大胆にも先発ローテーションを再編する。1日広島戦に先発する能見を2日に登録抹消し、中10日の12日に再びカープにぶつける方向だ。前回対戦の8月26日はマツダスタジアムで5回途中3失点降板したが、今季成績は6戦で4勝2敗、防御率2・16と安定。「カープキラー」を惜しみなくぶつけていく。

 広島は伝統的に剛腕タイプに強く、今季もメッセンジャーや藤浪が苦戦してきた。一方で、今季対戦6勝のうち5勝が左腕。9月もサウスポーを集中させる。明日2日に先発する岩田も8日巨人戦(甲子園)で投げた後、中4日で13日広島戦に向かう。上位3チーム相手に、実績のある4本柱を投入する。一方で、不安定な救援陣の強化も図る。2日に能見を抹消して、金田や島本を有力な昇格候補に見込んでいる。ロングリリーフもこなせる要員を加え、緊急時に備える。

 <2>団結 8日から、宿敵巨人を甲子園で迎え撃つ。8月の敵地での3連戦3連敗を雪辱すべく、通常なら野手が休日の7日に全体練習を行う見通しになった。和田監督も「前半の(巨人戦)3連敗は次の甲子園で何とかやり返す気持ちを持っている」と話してきた。天王山と心得るからこそ、異例の試みで、1軍ナインが心を1つにする。

 いまも首位に立つが、直前カードは2位ヤクルト打線のつるべ打ちに遭って2戦連続で惨敗。3位巨人とともに、1ゲーム差に迫られている。指揮官は「最後まで混戦が続く中で、最後に抜け出せるように、9月をしっかり戦っていく」と言った。和田阪神は人事を尽くして天命を待つ。

 ◆和田阪神9月の苦闘 12年の就任後、9月は3年連続負け越し。12年は5位で9月を迎えたが、11勝12敗2分けと乗り切れず、優勝どころかCS争いからも脱落した。13年は首位巨人と8ゲーム差で9月に入り、奇跡の逆転Vを目指したが、6勝16敗2分けの借金10。巨人の独走を許した。14年は3位ながら首位巨人と2・5差と十分に射程圏。ところが12勝13敗と乗り切れず。巨人は26日に優勝を決め、9月末には7差をつけられた。