日本ハムがロッテに競り負け、8カードぶりの負け越しを喫した。先発吉川が7回途中3失点で降板。打線は9回に中田の適時打で1点差に迫ったが、約1カ月ぶりの連敗。東京ドームでの今季最終戦を白星で飾れず、投手3本柱をつぎ込んだカードで痛い負け越しとなった。

 小さな希望は砕かれた。2点を追う最終9回。2死から、つなぎ一、二塁。中田が左前適時打を放ち1点差。どんでん返しへの芽ができた。ロッテ守護神の西野を追い詰めた。栗山英樹監督(54)が、勝負に出た。2走者に代走。杉谷を二塁、飯山を一塁へと送った。田中と中田をベンチへ下げ、ワンチャンスにかけた。近藤が初球を遊飛で、あっさり終戦。痛恨の連敗が決まったが、気持ちは整理できない。

 栗山監督 誰が悪いとかではない。でも、自分の心の中で落とし込めていない部分がある。

 精彩を欠き、青写真が狂った。1点リードの6回。快投の吉川が、痛恨の1発を浴びた。先頭の清田に右越えへ同点ソロを献上し、一気に乱れた。続くデスパイネに四球。クルーズが中前打で、俊足ではない一塁走者デスパイネに三進を許した。中堅手の陽岱鋼の打球への寄りがやや緩慢で、無死一、三塁へピンチが拡大。福浦の投ゴロの間に、決勝点を奪われた。防げた可能性があった。

 誤算の3連戦になった。メンドーサ-大谷-吉川の先発陣の3本柱を投入。8日からのソフトバンク3連戦(旭川、札幌ドーム)も、同様のローテーションとなる見込み。直接対決への試金石にしたかったが連敗し1勝2敗で、8カードぶりの負け越しを喫した。食い下がりたいソフトバンクの背中が、遠くなった。中田は「最後の(適時打)はどうでもいい。もっと早い回に点を取ってあげたかった」と嘆く1敗だった。

 必死に抵抗した。ビハインドでも勝ちパターンの継投を展開。7回にファウルの判定を巡り猛抗議した指揮官は、1勝への執着を送り続けた。8回の3番手石井が2四球、犠打の1死を取ったのみで降板し、陽岱鋼のスキ…。試合運びの細部の狂いが、負の流れへとつながった。

 栗山監督 まだまだやらなければいけないことがある。ちゃんとやります。

 残り22試合。首位と10・5ゲーム差。残されたチャンスは現実的に、少なくなってきた。【高山通史】