大胆に、力強く、攻めて勝つ! 阪神藤浪晋太郎投手(21)が今日10日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ開幕戦に先発し、G倒の先陣を切る。シーズン負け越しながら3位でCSに出場する阪神には失うものはない。藤浪も「ソロ本塁打は仕方ない」と牙をむく。既に和田監督の退任は決まっているが、球団創設80年のシーズンは終わっていない。

 シーズン中とは違う。藤浪は、大胆に勝ちにいく。短期決戦の重圧とは無縁のような口ぶりだった。

 「ソロは仕方がないと言いますか、出てしまうものなので。ない方がいいですけど。ムダな四球で走者を背負って1発を打たれる方が良くない。負けないピッチングができたら。先制されない、リードされないというのが大事だと思います」

 今季は東京ドームで4試合に先発。2試合を1人で投げ切ったが、2本塁打許して0勝4敗と勝てていない。だが、9月28日の今年リーグ戦最後の巨人戦(甲子園)では、8安打無失点の完封ショー。いいイメージを持って、打倒巨人のマウンドに立つことができる。

 昨年もCSファイナルステージで、東京ドームの初戦を任された。7回6安打1失点で勝利の流れを引き込み、リーグ覇者だった巨人から4連勝する道を作った。藤浪は「去年は去年。あまり考えすぎずにいきたい」と冷静だが、イメージは昨年の再現だ。

 9日発表となった「プレミア12」に、阪神から1人だけ選ばれた。「素直に光栄だと思います。野球とベースボールの違いはある。技術で対抗したいと思う。優勝の戦力になれるように頑張りたい」と日本を代表する自覚を見せた。

 侍の前に、すべきことがある。「背負うものも、失うものもない。気楽とは言いませんが、考えずに頑張りたいと思います」と言い切った。慎重は厳禁。挑戦者として大胆に-。無心で巨人打線に向かっていくだけだ。【宮崎えり子】