少年野球からでも貪欲に学ぶ。巨人高橋由伸監督(40)が28日、故郷の千葉市内で行われた少年野球大会「高橋由伸杯」の決勝戦を観戦した。閉会式でのあいさつでは「レベルの高さを感じました。指導力の高さなのかなと思って見ていました。来季は僕も指導者になるので、良い刺激になりました」と称賛した。

 単なるリップサービスではない。優勝した磯辺シャークスは6イニングで計10盗塁。身長156センチで体重68キロと巨漢の3番打者が、無警戒の相手バッテリーの隙を突いて二盗と三盗を決めた。その姿に、高橋監督は「動けていましたね。相手の意表を突いたりするのも大事になる」と感心した。「当然打てない日はある。そういう中で、どうやって点を取っていくかを(春季)キャンプでも考えてやらないといけない」。足の速さに関係なく、得点力を上げるために走塁技術を磨く必要性を口にした。

 俊足選手には、積極的に次の塁を狙うチャレンジを推奨する。今季のチーム盗塁数はリーグトップの99個だったが満足しない。「立岡も勇人(坂本)も長野も片岡も走れる選手はたくさんいる。どんどん走らせたいと思っています」と盗塁数増加を促す考えだ。

 今季はチーム打率がリーグワーストの2割4分3厘。打撃不振が響き、優勝を逃した。再建の最優先課題は打力アップだが、高橋監督は「選手によって求めることは違いますが(走塁の)意識も高く持ってほしい」と望んだ。【浜本卓也】

 ◆巨人の今季盗塁数 巨人はセ・リーグ2位中日より11個多い、99盗塁でリーグトップの成績を残した。チームトップは片岡の21個。続いて立岡の16個だった。高橋監督が期待している坂本は130試合に出場したが10盗塁で、12年に20盗塁した長野は3盗塁に終わった。チームでトップクラスの俊足の2人が足を使えば、自然と得点力は上がる。