西武田辺徳雄監督(49)が「21世紀版サンフレッチェ」を結成させる。13日、地元の山梨・富士吉田市で少年野球教室を開催。来季の救援陣に「ひと昔前のサンフレッチェを作りたい。鹿取さん、潮崎、杉山のような」と黄金時代を誇った90年代の勝利の方程式を挙げた。2年連続20セーブの高橋朋、最優秀中継ぎ投手の増田、元インディアンスで新加入のC・C・リーが「3本の矢」の最有力候補になる。

 20世紀版サンフレッチェは最強だった。抑えを固定せず、臨機応変に3人が役割を変えた。93年は全員が40試合以上に登板し、防御率2点台をキープ。阪神のJFK、巨人のスコット鉄太朗と現在の主流である3枚による勝利の方程式のパイオニアとなった。当時の主力野手だった田辺監督も「誰が後ろに行っても甲乙つけがたかった。必勝パターンだった」と振り返る。

 今季は主に高橋朋、増田の2枚。前半戦は好調も7月にともに月間防御率11点台と大不振に陥った。先発牧田を臨時守護神に据えたが、層の薄さが2年連続Bクラスを招いた。「ケツだけは決めた方がいい。高橋朋は左だから中で使いたい考えもある」と思案中だ。

 3本の矢は戦国武将、毛利元就の有名な教え。「毛利家と田辺家の家紋が似ているんだよ」。折れないサンフレッチェで試合を締めくくる。【広重竜太郎】