阪神の新守護神候補として大筋合意しているマルコス・マテオ投手(31=パドレス)が日刊スポーツの取材に応じ、初めて日本でのプレーに自信があると語った。母国・ドミニカ共和国のウインターリーグに出場中。18日には同リーグに参加中のDeNA筒香と「前哨戦」もこなした。阪神入りの正式発表は秒読み。金本タイガースのカギを握る右腕が、抑えきれない胸の内を明かした。

 1点を追う9回無死一塁だった。マテオが打席に筒香を迎えると、それまでほとんど機能しなかった球場の球速表示が突然、マテオの直球に103マイル(約166キロ)と反応した。きっちり中前打した筒香が「さすがに球速表示ほど速くは感じなかったですね…」と打ち明けたが、スピードガンを目覚めさせるほどの剛腕には違いない。対決の続きは来年、甲子園か横浜スタジアムで。マテオは自信満々に語った。

 「契約できて、とてもうれしいよ。ようやく決まってホッとしたし、ようやくリラックスした気分になれた」

 マテオ側の関係者によれば、すでに1年契約にサインし、週明けにメディカルチェックを受けた後、球団担当者と会談する予定だという。球団からはその後、獲得が正式発表される見込みだ。ストッパーとして期待しているというマテオは素直に喜びを表現した。

 心配される日本球界への順応については頼もしい言葉で返答した。まったくライフスタイルの違う異国の地だが、不安はないようだ。

 「みんな一緒だよ、そう変わるもんじゃない。ベースボールはベースボール。ライフスタイルは少し違うかもしれないけど、自分はプロ。適応できる自信がある」

 高いプロ意識をうかがわせた。また、伝統と人気を誇るタイガースという球団についても、すでに“調査済み”のようだ。

 「熱狂的? (マウロ)ゴメスがそう言っていたよ。ファンの応援がとても熱いって。自分もそんなチームの一員になれることが本当に楽しみだ」

 正式な誕生はメディカルチェック後になるが、マテオは、その後も同地のウインターリーグで投げ続ける予定という。日本でのオフ期間も動き回る最速155キロの剛腕。来年2月の沖縄・宜野座キャンプには万全の状態で来日することが期待される。絶対的守護神の呉昇桓が抜けたショックがまだ残る猛虎に、地球の裏側から頼もしい声が届いた。

 ◆マルコス・マテオ 1984年4月18日、ドミニカ共和国サンクリストバル生まれ。04年にレッズと契約。カブス傘下に移籍し10年にメジャーデビュー。今年1月パドレス移籍。185センチ、100キロ。右投げ右打ち。