ジャッキーより、子どもの笑顔が見たい! 今オフ、チーム最高年俸に躍り出た日本ハム中田翔内野手(26)が20日、来季以降に北海道内の子どもを札幌ドームに招待するプランを披露した。2日の契約更改で推定年俸2億4500万円となった主砲は、競走馬購入の夢をひとまず封印。遠方に住む少年少女らのために、自腹で札幌ドームの年間シート購入などを検討。率先して北の大地で社会貢献に励む考えを明かした。

 北海道から直線距離で約1500キロ離れた地で、本拠地への恩返しの思いは強まった。この日、中田が訪れたのは福岡・大牟田市。ソフトバンク福田とともに野球教室に参加した。ライバルチームのお膝元で約220人の小学生らとふれあい、秘めていた本音が飛び出した。「北海道はホームだからね。正直、何かやりたい気持ちはあるよね」。何か、とはチームが根ざす北の大地での社会貢献。契約更改後は「馬でも買おうか。(名前は)ジャッキー」と珍発言したが、心温まるプランも温めていた。

 子ども好きな中田らしい昇給の使い道を思案していた。「子どもたちを札幌ドームに招待したい。北海道は特に広い。なかなか球場に行ける子らが少ないから」。札幌ドームの年間シートを自腹で購入。遠方に住む道内の少年少女を対象にホームゲームへ招待する青写真だ。「テレビの中の風景しか知らない子に、札幌ドームはこんなにデカいとか選手はこんなに大きいとか、雰囲気を味わってほしい」と構想を膨らませた。

 この日も子どもたちの笑顔に癒やされた。早朝5時半起床で大阪から駆けつけ、ロングティーでは6スイング中5本の柵越えを披露。グラウンド到着の5分後、ウオーミングアップもそこそこに見せたプロの技とパワーだった。「アウェーでしたけど、駆けよってくれる子どもたちが多かった。早起きしたかいがあった」。充実の表情とともに、背負う使命も再認識した。「この時期、北海道は寒いけど、体育館とかで(野球教室を)やる方法もある」。チーム一の稼ぎ頭となった主砲は、道産子キッズのために一肌脱ぐ決意を新たにした。【木下大輔】