栃木を燕党一色に染める! ヤクルト真中満監督(44)が28日、出身地の栃木・大田原市が新設した「スポーツ功労大賞」を受賞し、同市役所での表彰式に出席した。14年ぶりセ・リーグ優勝が評価されたもの。監督就任2年目となる来季は、リーグ連覇&日本一で、巨人ファンが多い栃木県民をヤクルトファンに寝返らせる野望を掲げた。

 真中監督が「ヤクルト宣伝部長」を買って出た。「今年は優勝しましたが、これで終わりではない。日本一も逃しましたし。栃木県民がヤクルトファンになる、そんな活躍をしていきたい」と意気込みを語った。久々の帰省に「少し外を歩きづらくなった」と知名度の高まりを感じている。ただ、老若男女まで浸透しているとは思っていない。「オフに『真中満杯』をやっているけど、真中ってどんな人なのか分からない子どももいる。もっと知ってもらうためにも連覇と日本一を目指していきたい」と話した。

 昔から巨人ファンの多い土地柄だ。「僕の小さいころもテレビやラジオをつければ、巨人戦がほとんど」と振り返る。今季も栃木で行われたプロ野球の公式戦は、4月22日の巨人-広島(清原)1試合だけ。真中監督は「巨人ファンをヤクルトファンに寝返らせることができれば」と力を込めた。

 そんな真中監督には、栃木に関係する賞ラッシュが待っている。来年1月中旬には、栃木県知事特別表彰(栃木県スポーツ功労賞)に選出されることが決定。さらに「栃木県イメージアップ貢献賞」の候補にもリストアップされている。栃木とヤクルトの懸け橋となるべく鍵を握る存在だ。来季の栃木開催のヤクルト戦は予定されていないが、「将来的には、凱旋(がいせん)試合もやりたい。栃木の人にヤクルトの野球を見せてあげたい」と強い願望を口にした。ヤクルトファンであふれ返る栃木県に変えてみせる。【栗田尚樹】

 ◆栃木県出身のプロ野球選手 今季、日本で現役は沢村(巨人)成瀬、飯原(ヤクルト)岡田(ロッテ)ら9人。海外では渡辺俊がプレーした。過去には八木沢荘六(ロッテ)は現役時代に完全試合を達成、監督も務めた。江川卓(巨人)は福島県生まれだが中学から栃木に移り、作新学院で甲子園出場。広沢克実(阪神)は茨城県生まれだが、高校は小山。逆に創価高(東京)卒の小野和義(近鉄)は栃木生まれ。佐野市出身の石井琢朗(広島)は県出身で唯一2000安打を達成。小関竜也は西武、高村祐は近鉄で新人王に輝いた。