かかってこい、俺が世代NO・1野手だ。阪神ドラフト1位、明大・高山俊外野手(22)が3日、千葉・八千代市内の船橋中央リトルシニアグラウンドで自主トレを公開した。これまでの慎重な物言いが一変。明大のチームメートで日本ハムドラフト1位上原健太投手(21)ら同世代のライバル投手をプロの舞台でも蹴散らす野望を掲げた。頼もしいやん、この闘志!

 お正月とは思えないほどのポカポカ陽気に包まれていた。穏やかな表情で受け答えをしていた高山が一転、鋭い目つきを飛ばした。同世代ライバルの話題に及ぶと、質問にかぶせる形で語り始めた。

 「もちろん。上原に限らずですけど、いろんな投手と対戦したい。結果を残したいと思っています」

 日大三時代から猛打でならし甲子園を制覇。明大では48年ぶりに東京6大学の最多安打記録を塗り替えた男のプライドが垣間見えた瞬間だった。ドラフト指名後からこれまで、自分を決して大きく語ることのなかった安打製造機。年が明け、入寮も目前に控える。プロ入りする自覚が高まったのか、明大のチームメートだった日本ハム1位上原だけでなく、巨人1位の立命大・桜井、広島1位の大商大・岡田ら同世代のライバルにはっきりと、事実上の宣戦布告を発した。その先には、それらの投手を全て打ち崩し、世代NO・1野手になるという覚悟がにじみ出ていた。

 何より、ついに高山があらわにしたこの姿勢を喜んでいるのは金本監督だろう。以前から「ハッタリでもいい。もっと若いヤツがグイグイこないと」と強い気持ちを持つ若虎の台頭を望んでいた。常に表情を変えずに冷静沈着な姿勢を崩さなかったルーキーが、グイグイと闘志を見せたことは歓迎のはず。金本阪神で外野のレギュラーを確約されているのは右翼福留のみという状況。高山がプロ入り後もギラギラとした目つきのままアピールすれば、定位置を確保するチャンスも十分に出てくる。

 「今まではアマ野球でやってきて、(プロは)1つ1つが初めてで、どういう世界か分からないですけど。僕なりに一生懸命やっていければ、結果はついてくると思う」

 準備完了だ。闘争本能に火が付いた虎のゴールデンルーキーが、意欲満々にプロの世界に飛び込んでくる。【梶本長之】

 ◆高山俊(たかやま・しゅん)1993年(平5)4月18日、千葉県生まれ。小学1年で野球を始め、船橋中央リトルシニアでは遊撃手兼投手。日大三で外野手に転向し3年夏の甲子園で優勝。明大では東京6大学新記録を更新する通算131安打。趣味は映画、音楽鑑賞、好物は焼き肉。181センチ、86キロ。右投げ左打ち。家族は両親と妹。