日本ハムが覇権奪回へ向けた最後のピースを埋めた。8日、前マリナーズのアンソニー・バース投手(28)と契約合意に達したと発表した。1年契約で年俸1億円(金額は推定)、背番号は52。メジャー通算129試合の登板実績を持つ最速158キロ右腕は、球団を通じて「チーム躍進の力となれる自信があります」と、力強くコメントした。

 スカウト会議出席のため2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷を訪れた栗山監督も待望の戦力補強を喜んだ。「マ軍に残留すれば、間違いなくメジャー開幕ロースターに残った逸材。まさか来てくれると思わなかった」。昨季はレンジャーズでダルビッシュと同僚。リリーバーとしてキャリアハイの33試合に登板した。過去に先発経験もあり、栗山監督は「四球で崩れない。低めに強いボールが投げられる」と評価。新外国人投手のマーティンとともに、開幕までに先発、中継ぎの適性を見極めていくつもりだ。

 かつて阪神を日本一に導いた助っ人野手と同名の新戦力。指揮官は「優勝請負人だね」と、大きな期待をかける。バースも「日本へ行くという大きな決断の先には、優勝に貢献する以外にありません」と頼もしい。これで、今オフのチームの補強は完了の見込み。10年ぶりの日本一を目指す陣容が固まった。

 ◆アンソニー・バース 1987年11月1日、米ミシガン州生まれ。08年ドラフト5巡目でパドレス入団。11年にメジャーデビュー。アストロズを経て、昨季レンジャーズで33試合に登板し防御率4・50。シーズン終了後にマリナーズへトレードされた。球種はスライダー、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ。メジャー通算129試合で5勝9敗、防御率4・40。188センチ、90キロ。右投げ右打ち。