敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。

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理想と仰ぐ先輩に届いただろうか。東京学館(千葉)の宮川璃久捕手(3年)は、1点差を追う中、バッテリーを組む大野聖直投手(3年)に声をかけ続けた。「どんなに負けていても、ピッチャーにしっかりと気持ちを伝えることが大事」と教わったからだ。

教えてくれたのは、OBの千葉ケン志朗さん。宮川が入学した当時の3年生の正捕手で、今年4月、JFEスチール東日本製鉄所敷地内での事故で亡くなった。

「野球をよく知っていて、すごく優しかった」という先輩に、短い時間だがよく面倒を見てもらった。得意とするブロッキングも、「捕手として一番大事」と教えられ、懸命に磨いたもの。目指す捕手像といえば、真っ先にケン志朗さんが思い浮かぶ。

それだけに、宮川の今夏への思いの強さはひとしおだった。観戦を約束してくれていたケン志朗さんに届くようなプレーを-。練習にも一層身が入った。

試合後、「勝って恩返しをしようと思ったんですけど」と話した後、「言われていたこと(声かけ)はできたので、自分でも続けていきたい」と続けた。宮川の前には、これからもケン志朗さんの背中があり続ける。【服部航大】

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