ヤクルト真中監督の「ゆとり教育」が始まる。9日、戸田球場で新人合同自主トレがスタート。同監督はドラフト1位の東洋大・原樹理投手(22)に対して、オーバーペース禁止を訴えた。「僕の現役の時は逆にスローペース過ぎてキャンプで大変だったけど。今の選手は真面目。力みすぎても故障につながる」と自虐ネタも交え、説明した。

 先を急がない。ブルペン入りは昨年の同自主トレよりも2日遅い20日前後を予定しているが、体の状態を見て判断する。練習メニューを担当する橘内トレーナーも「あくまで予定。前後はすると思います」と説明した。昨季は新人7人中、竹下と寺田以外の5人が故障などで脱落。シーズンを通して、1人も1軍でフル回転できなかった。故障者を出さないためにも、今回は「慌てず、焦らず」がテーマに設定された。原樹も「不安や焦りはありますが、じっくりやっていきたい」と意図を理解する。

 沖縄での春季キャンプでも、「ゆとり」は続く。既に1軍メンバーに内定している原樹について、同監督は「2月1日のキャンプ初日に投手全員がブルペンに入るが、石川や館山が投げていてもペースを乱されないようにしてほしい。開幕はあくまで3月。2月1日に合わせようとしなくていい」。即戦力投手の成長を温かい目で見守る。【栗田尚樹】