金本阪神の“16年初実戦”が2月6日か7日に内定したことが15日、分かった。沖縄・宜野座キャンプの第2クール初日にもシート打撃が準備されており、紅白戦に変更される可能性もあるという。もし第2クールスタート直後に紅白戦が行われれば、異例のスピード実戦となる。

 1軍メンバーは未定だが、キャンプ序盤のため、まずは若手中心のバトルになる。岩崎対江越、岩貞対高山らの投打対決や、岩崎、岩貞、秋山らによる投手、江越、伊藤隼、高山の外野、梅野、坂本らの捕手など同ポジション争いは注目の的だ。さらに初の対外試合となる16日の練習試合・楽天戦(宜野座)までにシート打撃、紅白戦が少なくとも3回は行われる見込み。サバイバル合戦が繰り広げられることになりそうだ。

 金本監督は5日の球団年賀式で「キャンプで入れ替えはあります。絶対に」と明言。「2軍で腐る人は勝手に腐って下さい!」とも言い切り、仁義なき戦いを予告している。一番のものさしになるのが、実戦形式での結果、内容に他ならない。金本監督ら首脳陣の鋭いチェックを受け、天国か地獄かが決まっていく。

 今キャンプは鍛錬重視の方針を取っているため、29日間で対外試合は5試合、3月のオープン戦も例年より少なく14試合しかない。おのずと若手に与えられる登板数、打席数は限られ、一投一打が運命のカギを握る。少ないチャンスを生かせば一躍目立ち、開幕1軍の道も開けていく。何が飛び出すか分からない、超変革キャンプ。まずは身内バトルに注目だ。

<金本阪神の身内バトル>

 ◆投手 先発の4本柱(藤浪、メッセンジャー、能見、岩田)は確立しているが、金本監督は主戦投手にも開幕投手を争うよう期待。復帰した藤川も先発起用の方針で、残るローテーションの狭き門は3年目となる岩崎と岩貞らを中心に争う。また呉昇桓が退団したブルペン陣も競争必至。ともに高卒5年目となる歳内と松田を中心にバトルになりそうだ。

 ◆捕手 矢野コーチは「横一線」を強調。3年目梅野と新人坂本の若手に、中堅の岡崎、小宮山、清水も正捕手の座を狙い、21年目鶴岡に挑む構図だ。

 ◆内野手 二塁と三塁は激戦。二塁では実力者の西岡に上本、大和の生え抜きがしのぎを削る。新外国人ヘイグも守れる三塁には、新井と今成、昨秋キャンプで成長した3年目陽川らが控える。

 ◆外野手 左翼マートンが退団し、固定できなかった中堅とともに2ポジションが空位。候補者は江越、伊藤隼、中谷らがいるが、内野バトルにも加わるメンバーの参戦も視野。狩野、柴田、俊介も名乗りを上げる。