阪神の11年ドラフト1位、伊藤隼太外野手(26)が昨年12月23日に婚姻届を提出していたことが16日、分かった。相手は慶大で同学年だった、横浜市出身の26歳会社員(名前非公表)。彼女は慶大時代にチアリーダーとして活躍しており、2人は6年間の交際を実らせた。勝負の5年目、世界一の援軍に支えられてレギュラー奪取を狙う。

 華やかなムードに包まれた神宮球場。ふと観客席を見渡せば、いつも笑顔で声をからす彼女がいた。慶大時代は主砲とチアリーダーという間柄。2人は赤い糸で結ばれる形で運命の出会いを果たし、6年間の交際を実らせた。

 伊藤隼 第一印象は「笑ってるな」という感じでした。人生楽しそうだな~って思っていましたね。

 慶大2年時の09年12月23日、知人の紹介で顔を合わせた。翌24日には2人でディズニーランドを満喫し、クリスマスイブに交際をスタートさせた。彼女はいざ“本業”に戻れば、春季リーグ、秋季リーグの度に毎試合スタンドから目いっぱいの声援をくれた。

 11年秋にドラフト1位で阪神入団後は関西と関東での遠距離恋愛となったが、互いに信頼しあうことで絆はさらに深まっていく。毎年、交際記念のクリスマスシーズンにはディズニーランドへ。自然な流れで結婚を意識するようになった。

 「結婚しましょう」

 「はい。うれしいです」

 プロポーズは14年も年の瀬。彼女が仕事で関西に出張した際、自宅で夕食を共にしながら、伊藤隼は意を決して思いを伝えた。1年後、初めて知り合った12月23日という記念日を選び、婚姻届を提出。すでに関西で一緒に暮らしている。

 伊藤隼 気を使わず、自然体でいられる。守るべきものができたので、今まで以上に頑張っていきたい。

 昨季は広島黒田、前田の大物2人を計18打数7安打と打ち込み、自己最多の63試合出場で能力の高さを証明した。今季は勝負の5年目。不動のレギュラーだったマートンが退団したこともあり、またとないチャンスが転がり込んでいる。

 伊藤隼 もう1人ではない。夫婦二人三脚で歩んでいきたいと思います。

 オフは小麦粉を制限することで太りやすい体からの改善に挑戦。体脂肪率10%前後の肉体を目指す上で、愛妻のサポートが大きな支えになるのは言うまでもない。世界一のチアリーダーとタッグを組み、定位置奪取の舞台は整った。

 ◆伊藤隼太(いとう・はやた)1989年(平元)5月8日、愛知県生まれ。中京大中京-慶大から11年ドラフト1位で阪神入団。打撃への評価は高く、阪神で大学野手のドラフト最上位入団は鳥谷(早大、03年ドラフト自由枠)以来だった。3年目の14年に素質開花。今季は外野の定位置獲得を目指す。177センチ、83キロ。右投げ左打ち。

 ◆阪神今季の外野事情 右翼福留以外は白紙の外野争奪戦だ。上本が昨秋から自身のチャンスを広げるために外野挑戦をスタート。同じく二塁&外野の大和も守備面の存在感は際立っている。大砲候補の江越、さらに横田は大化けする可能性も。ルーキー高山、板山も加わり競争相手は多いが、5年目伊藤隼にも十分にチャンスはある。