最高のシーズンにする。楽天則本昂大投手(25)が24日、コボスタ宮城室内で自主トレを公開し、すべてにおいてキャリアハイを目標に掲げた。内定している開幕投手を無事務めれば、ルーキーからの4年連続は2リーグ制後は史上初。快挙で勢いに乗り、目標の実現にまい進する。

 軽やかに則本は肩慣らしをした。「去年よりもしっかり体をつくれている。順調に仕上がって来ている」と状況を説明した。もう1度、日本一になりたいと勝負をかける4年目。「1年目、2年目、3年目と成績は悪化している。4年目の今年は、すべてにおいてキャリアハイを目指してやりたい」と力強く宣言した。

 ここ3年間の最も良かった数字を並べると15勝、防御率2・91、投球回は202回2/3で、215奪三振。9完投、7完封。すべてをクリアすれば沢村賞の有力候補になれるほどだが「コントロールの精度を上げることとメンタル。気負わずに楽しくやることで充実した1年にできれば、キャリアハイもついて来る」と自信を見せた。

 自信をくれたのは偉大な先輩だ。「無駄な動きをなくした」と修正した投球フォーム。自主トレを共にしていたヤンキース田中に映像で見てもらった。去年までのフォームと比べて「いい方向にいっていると声を掛けてもらい自信になった。続けていこうと思った」。おかげで制球力アップに向けての道が見えた。

 あとはメンタルだ。思えば、1年目は何も知らない状態でやっていた分、野球を楽しめていた。田中がヤンキースに移籍した2年目以降、引っ張っていかなければと空回りしてしまった。「あんまり思いすぎても良くない」と、今年は少し肩の力を抜く。それが好成績につながると信じている。

 最初の照準は史上初となるルーキーから4年連続の開幕投手だ。3月25日、コボスタ宮城でのソフトバンク戦。「開幕戦は一番状態のいい投手が投げるもの。一番状態が良くなるように、しっかり体をつくりたい」と言った。快挙を足掛かりに、2度目の日本一に向けて突き進む青写真は出来上がっている。【竹内智信】

 ◆新人からの連続開幕投手 1リーグ時代には野口明(セネタース)が36年春、夏、秋、37年春、秋の5シーズン連続、沢村(巨人)が36年夏、秋、37年春、秋の4シーズン連続で開幕投手を務めているが、2リーグ制後は58~60年杉浦(南海)13~15年則本の3年連続が最長。新人から4年連続ならば2リーグ制後初めてになる。