誰からも信頼される捕手になりたい-。楽天ドラフト4位の堀内謙伍捕手(18=静岡)が28日、仙台市のコボスタ宮城で初対面した嶋基宏捕手の背中を追いかけると誓った。室内練習場に現れたキャプテンの姿を見つけると、一直線に駆け寄り「堀内です!」と大声であいさつ。「身長以上に大きく感じました。めちゃくちゃ緊張しました」と大興奮だった。

 心に刻まれた言葉がある。22日に行われたヤンキース田中将大投手との交流会で、「どんな捕手に投げたいですか」と直球の質問をすると、大先輩は誠実な言葉で答えてくれた。

 「捕球や送球がうまくても、私生活が悪い捕手には投げたくない。人間として尊敬できる捕手がいい」

 田中が楽天時代にバッテリーを組んでいた嶋のことをイメージし、「人間として尊敬できる」と返したことは明らかだった。その瞬間から、目指すべき道は決まった。「周りから信頼されている証拠です。すぐにはできない。少しでも近づきたいです」。

 11日から続いた新人合同自主トレを打ち上げて、31日には沖縄・久米島の2軍キャンプへ向け出発する。「この18日間で同期のいい仲間と巡り会えた。これからは先輩方から学びたい。全員の球を受けてみたいです」。6日の入寮時85キロだった体重は、ウエートトレーニングの成果で88キロに増加した。実家から持ち込んだクマのプーさんのぬいぐるみは、寮に残したまま旅立つ。本格的なプロ生活が幕を開ける。【松本岳志】