阪神金本知憲監督(47)が沖縄・宜野座キャンプ初休日の5日、下柳剛臨時投手コーチ(47)と3打席対決すると明かした。11日予定の紅白戦開始前。金本監督が勝てば野手陣が、下柳コーチが勝てば投手陣が同日の個別練習が免除となる。捕手は矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(47)が務め03、05年優勝の同学年トリオが勢ぞろい。超変革なファンサービスになりそうだ。

 金本監督がサプライズで夢対決プランを明かした。キャンプ初休日の読谷村の宿舎。「催し物があるみたいだね。コーチと話しているうちに決まってしまったんだ。シモは真剣勝負だと言っているよ」と笑った。

 宜野座でキャンプ初の紅白戦が予定される祝日11日の試合前。下柳臨時投手コーチがマウンドに立ち、金本監督が打席で迎え撃つ3打席対決が実現する。しかも捕手は矢野作戦兼バッテリーコーチだ。03年&05年の優勝を導いた同学年トリオが勢ぞろいしての真剣勝負。もちろん入場無料でファン待望の超お宝イベントになることは間違いない。

 ルールも公式戦さながらだ。カウント0-0からのプレーボールでもちろん変化球も交える。ただし、打者は3割打てば一流と言われる状況も踏まえ、金本監督が3打席で1本でもヒットを打てば勝利となる。一方で下柳コーチも現役選手を守備に就かせてヒットゾーンを狭め、エラー出塁はアウトに数える。「田中秀太(スカウト)にショートをやらせようか?」。金本監督は07年の下柳グラブ投げ事件の当事者を出してジャブを放ったが、果たして下柳氏が受けるかどうか。

 金本監督が勝てば、同日の紅白戦後に組まれている野手陣の個別練習が免除になる。下柳コーチが勝てば、投手陣の個別練習が免除になる。まさに監督、コーチのメンツをかけた本気の戦いで、選手の応援合戦も含めたヒートアップは間違いない。4日の練習後にブルペン投球も行った下柳コーチに対して監督は、「キャンプで自分のキャンプを張っとるな」と苦笑い。「俺はやっても秘密練習だよ」とジャブを打ち続けた。

 金本監督が12年の引退後打席に立つのは、ザ・プレミアム・モルツ球団の2試合と今年1月に行われた名球会イベントの計3試合。「(名球会で)ヒット打ったと言うても125キロぐらいやからね。(引退して)4年目やで。(横田の)手本になるような打ち方はできないよ」とさすがにドキドキ感もあるようだ。「でもいいんじゃない? 小さなファンサービスで」。選手対抗の運動会リレーなど、あの手この手でキャンプを盛り上げるアイデアマン監督。あとは当日の晴天を祈るばかりだ。【松井清員】

<金本VS下柳>

 ▼「金本VS下柳」は、95年と99年のオープン戦までさかのぼる。95年は3月26、27日のダイエー-広島戦(福岡ドーム)で、ダイエー下柳は26日は6回に2番手で、27日は9回に5番手で登板。広島5番左翼でフル出場の金本は26日の対戦は四球、27日は左飛だった。99年は3月14日の広島-日本ハム戦(呉)で、移籍4年目の下柳が2番手として7、8回を投げ、6番左翼の金本は7回先頭で結果は遊失。対決は通算2打数無安打1四球。

 ▼2人がセとパに分かれていた02年までは、交流戦も行われていなかったため公式戦の対決はない。下柳が楽天に移籍した12年も、オープン戦、公式戦とも対戦なし。

 ▼オールスター戦で2人がセとパの代表として戦ったのは97、01年。下柳は各年1試合ずつ登板したが、金本との対戦はなし。

 ▼ともに阪神の9年間は春季キャンプの紅白戦に下柳が登板しても、金本が調整途上のケースが多く、対決は見られなかった。