阪神が今季2度目の同一カード3連勝。中日に対しては開幕6連勝で、1リーグ制時代を含めて史上初となった。

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リリーフ投手に白星がつくチームは、いつの時代も強いものです。ビハインドの場面で出てきた投手が踏ん張った、もしくは同点の場面で出てきた投手が好投した証しでもあるからです。阪神はこの日、湯浅投手が同点に追いついた直後の6回表を3者凡退に仕留め、ハーラートップに並ぶ今季3勝目を挙げました。同じく中継ぎ右腕のモレッタ投手もすでに2勝をマークしています。つまり、タイガースは今季も強いチームの典型だと表現できるわけです。

驚かされたのは3番手で4回から登板した工藤投手の変わり身でした。プロ1年目の昨季は最速161キロの直球で魅力をアピールする一方、なかなか変化球でカウントを取れない場面も目立ちました。直球を狙われて打たれる。さらに力んで、また打たれる。そんな悪循環に陥るケースも見受けられました。それがこの日は2イニングを3奪三振1安打で無失点。何より無四球の安定感に成長を感じました。

1イニング目の4回は中日4番の細川選手を156キロ直球で空振り三振に仕留めるなど、クリーンアップから3者連続三振を奪いました。5回も無失点で流れを引き寄せ、直後の同点劇を呼び込みました。この日の最速は157キロ。直球の威力は健在で、それでいてカットボール、フォークといった変化球の精度も上々でした。いい意味で力感が抜けた投球スタイルには、どうやら理由がありそうです。

工藤投手は今季、2軍で2イニングのロングリリーフを続けていました。2イニングを投げる場合、1イニングのときのように全球を全力で投げ続けるわけにはいきません。ロングリリーフを続けた結果、「力の抜き方」を徐々に覚えてきているのではないでしょうか。今季の阪神は絶対的なリリーフエースだった石井投手を負傷離脱で欠いています。工藤投手はその穴を埋める存在の1人として、名乗りを上げた形です。(日刊スポーツ評論家)

ピカチュウと記念写真に納まる阪神の、左から湯浅、近本、佐藤(撮影・加藤哉)
ピカチュウと記念写真に納まる阪神の、左から湯浅、近本、佐藤(撮影・加藤哉)
阪神対中日 3勝目を上げた湯浅(左)に笑顔を見せながら勝利球を手渡すドリス(撮影・上田博志)
阪神対中日 3勝目を上げた湯浅(左)に笑顔を見せながら勝利球を手渡すドリス(撮影・上田博志)
阪神対中日 4回表、阪神3番手で登板する工藤(撮影・加藤哉)
阪神対中日 4回表、阪神3番手で登板する工藤(撮影・加藤哉)
阪神対中日 4回表、阪神3番手で登板し中日打線を三者連続三振に仕留めた工藤は上を向いてベンチへ移動する(撮影・加藤哉)
阪神対中日 4回表、阪神3番手で登板し中日打線を三者連続三振に仕留めた工藤は上を向いてベンチへ移動する(撮影・加藤哉)