主役を張るはずの日本ハム大谷も、3月5、6日に行う侍ジャパン強化試合、日本-台湾戦(5日ナゴヤドーム、6日京セラドーム大阪)のメンバーから外れることになった。12日まで日本野球機構を含む侍ジャパン側と日本ハム側で水面下で協議。投手として招集される見込みだったが、折り合いがつかずに断念することが決まった。3月25日のパ・リーグ公式戦の開幕が目前。大谷は、日程も含めて調整が難しい「二刀流」で、総仕上げに突入する時期だけに、断念せざるを得なかったようだ。

 NPB関係者の話を総合すると、双方で慎重に対応を話し合った末に出した結論だという。大谷は日本ハムの開幕投手の大本命で、チームの大黒柱としてもシーズンインへ照準を合わせている期間。限られた条件下で、打者としても可能な限り、出場機会の確保が不可欠なタイミングに、ぶつかっていた。「二刀流」という特殊な事情で、スケジュールの側面から登板を確約できないことから、辞退を選択したとみられる。

 仕切り直す舞台だった小久保ジャパンにとって、ダメージは大きい。世界一が期待されていた昨秋の「プレミア12」で3位に敗退。来年3月に迫った第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ、再出発の場となるはずだった。エース格だったドジャース前田の不参加も決定的。「プレミア12」の韓国戦2試合で計13回21奪三振と圧倒的だった大谷は、投手陣の主力格と見込まれていた。