DeNAのドラフト1位今永昇太投手(22=駒大)も、負けじとアピールした。シート打撃に初登板し、打者6人を被安打1、3奪三振の好投をみせた。梶谷には、膝元へと沈むチェンジアップを決め球に、空振り三振を奪った。「奇跡の1球です。大学時代にもあのコースには投げられなかった」と、本人も驚く1球で侍戦士を沈めた。

 脱力投法が好投を導いた。11日のフリー打撃登板は、打者との対戦に力みが邪魔をして本来の投球ができなかった。「ブルペンで良い球を投げられても、どうしても試合では力みが出てしまう。今日はリラックスして投げることを意識した」と課題を明確にしてマウンドに上がった。

 対戦した梶谷からも「よく腕が振れていた。ブレーキが利いた、いいボールだったと思います」と言ってもらえた。だが、この日の登板だけで浮かれることはない。今永は「自分には本当に力がない。『自分で謙虚』と言えることが持ち味。まだまだです」ときっぱり。明日17日の韓国・KIA戦の先発投手としてプロ初実戦に臨む。ドラフト1位のプライドは胸に封じ込め、謙虚な姿勢を貫いたまま開幕ローテ入りを目指す。【桑原幹久】