昨季限りでソフトバンクを退団した松中信彦内野手(42)が現役を引退することが29日、分かった。

 19年間のプロ野球人生にピリオドを打つことを決意。1日、引退会見を行う。松中は昨年10月に退団後、NPBでの現役続行を希望し、他球団からのオファーや入団テストの機会を待っていたが、自ら期限としていた2月末まで話がなかった。

 松中の一問一答は以下の通り。

 -引退の決め手になったのは

 松中 2月19日に(古巣の社会人かずさマジックに同行する形で)生目の杜を訪れ、打撃練習をした。他球団の方もいる中でまだ動ける自分を見せれば話が来るかもしれないと思ったが、話がなかったことで引退を決意した。

 -入団テスト要望の電話をかけたのは

 松中 去年の退団後、関係者を通じ、連絡先を知らせてもいいと言ってもらえたのが7球団あった。そのうち、ベテラン勢が引退した中日以外の6球団に電話させてもらった。

 -NPBにこだわったのは

 松中 NPB、育成、海外、独立リーグという選択肢があったが、NPBで最後の勝負をしたかった。この2、3年、2軍生活が長い中で、自分は1軍に行くための準備をしなきゃいけない。でも、若い子の芽もつぶしちゃいけないという葛藤があった。だから育成は考えていなかった。BCリーグの武蔵から「NPBからのオファーを待つ間、うちでどうですか」と話があったが、NPBでという気持ちだった。

 -19年間の思い出は

 松中 一番は11年(11月4日)のクライマックスシリーズのファイナルステージで西武牧田から打った代打満塁本塁打。何年か分の思いが爆発した。投手では(松坂)大輔との対戦が一番楽しかった。(05年に放った)1試合3本塁打は忘れられない。

 -今後は

 松中 ベーブ・ルースがプレーしていたニューヨークに行きたいし、異業種で成功を収めている人たちの話も聞きたい。野球しかしてこなかったので、野球に携わる仕事がしたい。1度は指導者にもなりたい。