日本野球機構(NPB)調査委員会の大鶴基成委員長(61)は14日、都内で取材に応じ、巨人の選手が、自チームの公式戦の勝敗に絡んで現金のやりとりをしていた「声出し」は昨年の調査から把握していたが、野球協約違反には当たらないとの見解を示した。

 昨年11月の調査結果報告書でも「非予想型のもので、『賭け』には当たらない」と記した件で、「野球協約の177条1項6号に当たらないという判断をしています」と説明した。177条は八百長につながる敗退行為を禁じるもの。「勝った時は、円陣を組んだ人が1人5000円を声出し役に払う。負けた時は、声出しした人がメンバーに1000円ずつ払う。敗退しても、もらえるのは1人1000円。1000円のために、敗退行為を考えるプロ野球選手がいるとは考えられない」と、金額を1つの判断材料にした。

 熊崎勝彦コミッショナー(74)も「声出し」は昨年から把握し、調査委員会の判断を了承している。その上で「(野球賭博の)背景の1つ。延長線上でまひしていく。野球に対する金銭授受は全面禁止した」と、1月には全球団に通達を出した。円陣は球場の野球ファンの前で行われた行為。再調査して処分を下す可能性は否定するが、「絶対にやってはいけないこと。有害行為に当たる、当たらないは協約解釈の問題が入るが、ファンの前でやることは、僕は許されないと思います」と厳しく言った。