日本ハム大谷翔平投手(21)が、「二刀流本格運用」を見据え、テスト起用される可能性が出てきた。17日ソフトバンク戦(鎌ケ谷)が次回登板になるが、栗山英樹監督(54)は登板2日前となる今日15日中日戦(ナゴヤドーム)の野手出場を示唆。これまで“ご法度”にしてきた登板2日前起用を解禁し、シーズン本番での「投手1、野手3」の週4試合出場をもくろみ、体の状態などをチェックする。

 開幕前最後の登板に合わせ「二刀流本格運用」もシーズンモードに突入する。ナゴヤ球場で練習を見守った栗山監督は、17日ソフトバンク戦(鎌ケ谷)で先発登板する大谷を、今日15日中日戦(ナゴヤドーム)で野手起用することを示唆した。「体の状態を見てからだけど、そうじゃないと(野手で)週3回出られない」。体調によっては先発ではなく、代打などの可能性もあるが、登板2日前の野手出場は珍しい。3年間の「二刀流」挑戦でも、延長12回に代打で出場し、2日後に5イニングを投げた13年9月に1度しかない。

 リーグ3冠を獲得した投手と同じように、打者・大谷もポテンシャルは相当に高い。指揮官は今季、DHでの出場機会を増やしていく方針で、そのためには昨年までは“封印”していた、登板前後2日間の「出場規制」を解除しなければならない。

 理想は、週1度の中6日での登板間に、野手で3試合出場するというもの。今回のように登板前々日か、もしくは登板翌々日に野手出場が求められる。入団以来二人三脚で歩んできた栗山監督は「経験上、つくってきたものもある」と蓄積されたデータを踏まえ、「投げた後、中1日(で野手出場)より、投げる前の方がいい」と結論を出し、本人の体の状態を見ながらテスト起用する考えだ。

 この日は投手組でキャッチボールなどをこなした後、フリー打撃を行った大谷。「使ってもらえるかどうかは監督が決めること。使ってもらったところで頑張りたい」。中日は投手としてプロ初勝利を挙げ、「二刀流」のスタートとなった相手。今度はその「二刀流」が、さらに一段ステップを上がる。【本間翼】