勝てば首位だったのに~。中日は逆転負けで5連勝を逃した。1週間負けなし(4勝2分け)を支えていた投手陣がつかまった。再び勝ち越した直後の7回、先発ネイラーが招いたピンチで又吉、小川、福が打ち込まれ計6失点。それでも、5球団との対戦1巡を終えて貯金1を残した谷繁監督はシーズンを戦うスタイルの確立に自信を深めた。

 ブルーのユニホームが次々とホームを駆け抜けていく。日曜の客席からはため息の連続。一気に試合の行方は決まった。久しぶりの光景だった。

 7回1死一、二塁でベンチは先発ネイラーをあきらめた。又吉を上位打線にぶつけた。長野を打ち取り2死まできたが、そこから波状攻撃を受けた。立岡に同点打、坂本に勝ち越し2点二塁打された。ここで代わった左腕小川もクルーズに2点二塁打され、7試合目で初失点。さらに新人の福も止められなかった。

 2度の延長12回引き分けもあった最近5試合は、実に計3失点と先発、中継ぎとも総動員で大活躍。特に救援防御率は1・80とリーグダントツを誇っていた。ネイラーは7回に100球を超え、明らかに不安定だった。谷繁監督はブルペンの奮闘ぶりを理解している。「あそこは勝負にいって、勝負に負けた。もちろん(リリーフを)責めるつもりはない」。こんな日もあるさとばかり、割り切った表情で話した。

 バットが湿り気味な打者陣はともかく、投手が試合を作って、少ない好機を生かしていく戦い方はこの1週間ででき上がった。連勝は4で止まったが、5チームとの対戦1巡目を7勝6敗2分けで終えた。

 「最初は先発が落ち着かなかったけど、ローテの2回り目くらいからは落ち着いてきた。こういう形で戦っていければいい」と指揮官。ピリピリした展開ばかりで心身とも疲弊が進んでいたブルペンも小休止。力をため込んでまた我慢比べに備えるだけだ。【柏原誠】