広島ナインが通算2000安打を達成した新井貴浩内野手(39)へ、祝砲を打ち上げた。2回にブラッド・エルドレッド内野手(35)、鈴木誠也外野手(21)、堂林翔太内野手(24)がチーム11年ぶりとなる3者連続本塁打。7回には鈴木がグランドスラムを放ち、9回にエルドレッドがダメ押し弾。豪快なアーチ攻勢で、新井の快挙を3位浮上となる勝利で飾った。

 これが広島ナインの新井への愛情表現だ。プレーボール直前の三塁側ベンチ前。円陣の中心に入った新井の掛け声にナインのスイッチは入っていた。

 2回だ。エルドレッドがバックスクリーン左への先制弾で号砲を鳴らす。鈴木は追い込まれながら左翼席への今季1号。さらに堂林はこの日から取り入れたノーステップ打法でチェンジアップを力強くたたいた。チーム11年ぶりの3者連続本塁打となる1発をバックスクリーンにぶち込んだ。同じ右打ちの内野手として打撃指導を受けてきた新井への恩返し弾。「技術だけじゃない。勝ちに対する姿勢や打てなかったときの悔しがり方など行動の1つ1つが僕たち若い選手にとって学ぶことが多い」と堂林。尊敬する先輩の偉業の直前に、しっかりお膳立てした。

 7回は新井から「2本目を打ってくれ」と言われた鈴木が、15年5月9日阪神戦以来の満塁本塁打で応えた。9回にはエルドレッドがヤクルト山田らに並ぶリーグトップの8号でとどめを刺した。新井気流に乗り、先発野手全員安打の17安打11得点。貯金2で3位に浮上した。緒方監督は「全員が記録達成に花を添えようとしていた」と選手をたたえた。【前原淳】

 ▼広島が2回、3者連続本塁打をマークした。広島の3者連続本塁打は球団最多タイで、05年9月2日巨人戦(広島)の5回に嶋-新井-前田のクリーンアップトリオで記録して以来11年ぶり9度目。